今年の終わりに

 24日までの展示会が終わり、今年も無事に年の瀬を迎えることが出来ました。

 嵐の中を小船で岸に向かって一生懸命に漕いでいたような気がします。本当に大変な年でしたが、仕事をしていればこその出会いもあり、心楽しい一年でもありました。全ての方々に感謝いたします。

 28日より来年の1月9日までは、恒例の冬休みとさせていただきます。

 皆様、良いお年をお迎えください

2011年12月26日

吉林省 敦化(とんか)   思い出−2

凍土 
 先日、ある集まりで北海道旅行をされた方の話の中に道が凍っていて滑って転んだ方が多かったとありました。福岡では道が凍ることなどなく、体が付いていけなかったのだと思います。

 子供時代を過ごした思い出の敦化は今の時季、道はほとんど凍り毎日スケートリンクを歩いて学校に行くようなものでした。横殴りの粉雪が舞うなか、毛皮のコート(シュウバーといっていました)を着て毛皮の帽子をかぶった重装備での登校。

 おかげで滑る道を歩く術はすっかり身につきました。北海道に行ったとしても転ぶことはないと思います。

2011年12月19日

カシミヤのマフラー

 今、滝口和男展と一緒に西山英子さんと香月美穂子さん作のカシミヤのマフラーを展示しています。

 お二人との出会いは、滝口さんが天神のおいし画廊で個展をしていた時、その画廊の三階で染め織りの作品展をされていたのがきっかけ。お二人が滝口さんのファンになられたことからです、以来20年来のお付き合いです。

 毎年夏と冬、作品を展示していただいています。今年、福岡文化連盟の会員になられました。

2011年12月12日

 

沢木耕太郎

 文藝春秋の読者賞アンケートに「キャパの世界、世界のキャパ」を選んだばかりなのですが、久々に沢木耕太郎さんのエッセイの新作「ポーカー・フェース」が出版されました。

 文庫版になっている「バーボン・ストリート」と「チェーン・スモーキング」を合わせて購入して読んでいます。これを機に2003年に出版されたノンフィクション全九巻も再読しようと思っているところです。

 小説を繰り返し読むことは無いのですが、エッセイは何度読んでも新しい出会いがあって楽しめます。まるで沢木耕太郎さんご自身に会って親しくお話をしているような気分です。好きなカクテルを飲みながら、読者賞に選ばれるう祈っています。 

2011年12月2日

最後の一枚 師走

 今年もカレンダーが最後の一枚となりました。

 10月の気温のまま年末を迎えることになるのかと思っていましたら、今日から急に寒くなりようやく師走らしくなりました。

 たきぐちでは今年最後の展示会【大売出し】を8日から開催します。

 滝口和男さんの作品を中心に、クリスマスの絵、古布の飾り、西山さん、香月さんのカシミヤのマフラー等盛りだくさんの展示でこの一年の締めくくりにしたいと思っています。 

2011年12月2日

新聞購読 再開

 七月から止めていた新聞を再購読することにしました。

 3.11以降の「自粛」大合唱もそろそろ紙面から消えているだろうと思えることと、毎朝新聞を読まなくなったことで、少々ボケてきたのではと心配になったからです。

 街中に住んで自宅と店の往複だけでは 世間から取り残された気がしてきました。テレビは「前髪」、新聞は「後ろ髪」というわけで、ニュースを後でゆつくり読むことが出来るのが新聞だと納得。

 内容にはあまり期待しないで気軽に、朝夕世間付き合いをするつもりで読んでみます。

2011年12月1日

吉林省 敦化(とんか)   思い出−1

 子供の頃住んでいた、敦化では、毎年11月に入ると校庭がスケートリンクに早変わりしていました。前日の夜にポンプで校庭に水を張ると、翌日には立派なリンクの完成です。そして11月3日の明治節(明治天皇の誕生日)には恒例のスケート大会が開かれていました。

 暖房の効いた教室の後方にはエッジを研ぐ台が置かれており、子供たちは代わる代わる研いだものです。ただ、外周のコースは上級生にならないと滑らせてもらえず、小学校4年生までは中央の四角に区切られた場所の内側から、外周を滑る上級生の姿をうらやましい思いで眺めていたものです。

 もっと長く住んで5年生からのフィギュアスケートや外周を走るスピードスケートにも挑戦できたはずでした。フィギュアスケートのシーズンが始まるといつもよみがえってくる残念な思い出です。

2011年11月25日

普段の日

展示会期間間ではない、ごく普段のたきぐち店内の様子をご紹介いたします。

2011年11月22日

ワンポイント

 ふつうの暮らしにワンポイントを! 一年一度、自分にご褒美を!

 こんな話を常々お伝えしているものですから、その時に選んでいただける品々を取り揃えてご来店をお待ちすることを何年も続けています。

 色々の器を中心に、最近は壁面を飾る絵、置物、敷物などです。 長寿になった今日、還暦の後の生活を楽しく過ごすには50代から心がけてワンポイントの品々を身近に置いて豊かな老後を目指して欲しいと思っています。

 安物買いの銭失いになりませんように。

2011年11月14日


ストレッチ

 今月から月に4回、近くの集会所のストレッチ教室に通うことになりました。 人に勧めるため下見に行ったのですが、場所も自宅のすぐ近くで、教室の開催が火曜日の夜。定休日前日の夜で、なんとも好都合なことだと、ミイラ取りがミイラとなったしだいです。

 これまでも散歩、ヨガ風体操、ジム、水泳など、様々な運動に挑戦してきましたが、最近は身体の節々が痛いところだらけで、すっかりご無沙汰となっていたところでした。

 昔から齢70を過ぎれば、急に弱ると聞いてはいましたが、これは本当。幸い、お店の往復は近い距離をバスで往復することで不自由は感じていませんが、「ボケは足から」ともいわれますので、ここで一念発起した次第です。 

2011年11月8日

 

文化の日に

 例年より暑い文化の日でした。街路樹のイチョウが塩害を克服して、濃い緑の葉になり黄色になりそうもありません。

 たきぐち店は今年、地域文化を少しでも応援するため、伝統のある福岡文化連盟に賛助会員の仲間入りをいたしました。

 福岡は芸術、芸能、特に芸能の盛んな土地です。10月にあった文連祭りの舞台劇「宗湛 SOTAN」は、戦国時代博多の町を復興させた豪商、神屋宗湛のお話。ミュージカル形式のコラボレーション劇というスタイルのおかげで、バレエ、琴,日舞など福岡で活躍されている会員の方々の素晴らしい技をたった一日で堪能させていただくことができました。

 今の暗い日本に、博多の芸能が元気を送ることが出来そうです。 

2011年11月3日

十月の終わりに

 仁平さんの染めの世界を一人占めした感のある展示会が無事終わり、何点かを残して作品を仁平さんの元に送り届けました。ほっとしています。

 草木、墨, 藍 友禅の染めはどれも素晴らしいものでした。

 残念なことは観てくださるかたが少なかったことです。中には福岡で仁平さんの作品を見ることができたと喜んでくださる方もありましたが、売り手の力不足か、時代(3.11)の所為かとも思えます。 慌てず騒がず、今後共、「いい物は、いい」と発信しなくてはと思います。

 11月は滝口和男さんの作品を中心に、常設の作家さんのオンパレード、ハーモニーを楽しんでいただきたいと思っています。

2011年10月27日

思い出の品々   有田焼

 果物では柿が好物です。この器はもう50年位使っています。昨日柿をいただきましたので、柿入りの白和えを作り盛りつけました。

 使い捨ての時代ですが、好きなものを長く愛用する心がけは失わないようにしたいと思っています。買う時は清水の舞台を飛び降りる気で買います。

 器を売るようになっても、この買い方がいいですよとお勧めしています。

 展示会の今日、仁平さんの作品と一緒に並んでいる器の値段を見て初来店の方は驚かれます。いま時の商いではないのかも知れませんが、これからも貫きたいと思っています。

2011年10月19

仁平 幸春 展

 昨年、思いがけないご縁を頂いた仁平さんの二度目の展示会が始まりました。 今回新しく藍色の額が届きました。古い板に和紙を張り藍で染めた額はなんともいえない雰囲気の作品です。無理なお願いに答えてくださった友禅ふくさ。沢山の作品を並べ、仁平さんの作品に出会った幸せを感じています。
 今日は赤ちゃん連れの若いお母さんが来店されました。お店の名簿にはない若いお客様です。仁平さんのツイッターをご覧になってとのことでした。その後も、今回の作品展をインターネットでお知りになった鹿児島の方から電話があり、新幹線のお蔭で日帰りが出来ることで、近く作品を見に来られるとのことでした。

 私が知らないだけで、仁平さんには色々のところにファンがいらつしゃるようです。 

2011年10月12日

美との出会い

 美しいものを扱っていれば 美しいものが分かる人々が集まってきます。本当にそのことを実感する毎日です。

 季節がめぐってくるたびに展示会の企画を考えるのですが、出展してくださる作家さんとお買い求めいただくお客様の顔を思い浮かべては、楽しみながら考えています。11日から仁平さんの二回目の作品展が始まります。今年は特別に染めの袱紗をお願いしました。小物の贅沢品が身近にあれば心豊かになるものです。

 パッケージと縁かがりをそれぞれプロの方にお願いして、三人の思いのこもった逸品となりました。

2011年10月5日

芸術の秋到来

 日本伝統工芸展の図録が届きました。東京を皮切りに、全国各地で巡回で開催され、福岡は2月15日から岩田屋本店で開催されます。

 この図録を見ると、日本全国で本当に多くの作家の方々が、日々研鑽を積まれていることがよくわかります。不景気もどこ吹く風とばかりに、自分の仕事に邁進されていらっしゃいます。日本の物造りの原点がここにあるのだと、改めて思わされます。

 福岡に沢山あるギャラりーでも、さまざまなアートが展示されると思います。美味しいものを食べたり、お洒落を楽しむのも結構ですが、秋こそ芸術品に触れて目を肥やして、人間の品格を高めていただきたいものです。

2011年10月1日

台風一過

 彼岸の中日が過ぎ、本当に涼しくなりました。

 台風が不景気風を見事にさらってくれたようで、ランプ展後半は出足良く好評の内に最終日を迎えることとなりました。

  何事にも妥協せず、美しいものにこだわる暮らしをされる方々が来店される御蔭です。これからもお客様に喜んでいただける展示を心がけていきます。

 10月11日から染めや仁平さんの作品展が始まります。今回は袱紗と墨と紺の和紙染めの額、テーブルマットなどです。

2011年9月25日

敬老の日

 60歳の還暦を迎えた時に新たに気合を入れ直したことが昨日のように思われるのに、気がつけば、はや喜寿。いつの間にか,校区や町内会から敬老の御祝をいただく齢になりました。一人暮らしの老人が住んでいることを杷握していただいているだけでも心強いことなのに、御祝金まで届けてくださるとは感謝の気持ちでいっぱいです。

 もう、それほど世間のお役に立つことは少なくなりましたので、せめて健康にだけは気をつけて、老人医療費のお世話になるのを一日でも先延ばしにしなくてはと思っています。

 ラッキーセブンが二つも並んでいるのですから、人生で最高に幸運な年にしたいものです。

 頂いた御祝金で美味しいステーキを食べて新たに気合いを入れ直し、次は元気に傘寿を迎えたいものです。

2011年9月18日

吾亦紅(われもこう)

 ドアを開けて外に出ると、雲一つない青空が広がっていました。12日から秋の展示会の灯りを並べていますが、猛暑、台風接近のせいかもしれません。お店は長坂さんの可愛らしいランプが並び、思っていた以上の出来に満足している所です。

  暑さの中、来店くださる方に涼しさがご馳走とばかり冷房を効かせてお迎えしています。秋らしさを感じていただきたく花入れに吾亦紅を生けています。後一週間ほどで気温も下がるとの予報、人出は彼岸まで待つことになりそうです。

2011年9月17日

じゃんぐい

 子供の頃住んでいた満洲では、大きな店を経営していたり広大なお屋敷に住んでいる恰幅の満州人のおじさんのことを、「じゃんぐい」と呼んでいた気がします。どんな字だったかは忘れましたが「じゃん」は老年の男子に対する敬称である「丈」だったかもしれません。両手を長いコートの袖に入れて辺りを眺めていたりと、何ともおおらかな人たちでした。

 新総理の野田さんを見て、昔出会った「じゃんぐい」を思い出した所です。清濁あわせ飲み、敵を身近に置く内閣の布陣にも大物の気配を感じさせます。私の勝手な思い込みかもしれませんが、これから日本も少し前進するのではと思っています。

 政権交替実現から2年間に支払った月謝がそろそろ生きてくることを願って、新内閣にエールを送ります。

2011年9月3日

鰯 雲

 バス停に立って空を見上げると地上の暑さをよそに、すっかり秋の気配を感じさせる鰯雲が浮かんでいました。

 9月になりました。

 12日からステンドグラスのランプ展を開催します。15年前に出会った長坂一子さんが、たきぐち取扱いの仲間入りです。ステンドグラスは教会のように窓にいれて楽しめたら一番いいのでしょうが、小さなランプを部屋において光と色を楽しむのもいいのではと思います。たきぐちには夏用に「あじさいと竹」、秋冬用はバラをイメージしたランプを置いて一年中楽しんでいます。 今回一人でも多くの方にこの楽しみをお伝えしたいと思っての企画です。 

 このステンドグラスの写真は、店主日記の第1回(2009年6月29日)でも使用したものです。

 2011年9月1日

閑古鳥

 夏休みが終わり、張りきって開店したものの、この二日間は閑古鳥が鳴いていました。大雨、雷、竜巻まで発生しては、人出は無理です。

 世の中は、あの地震以来、色々あって大幅に変わっていく気配がしています。ルネッサンス前夜とまでは行かないにしても、きっとこれからは宗教、芸術活動が盛んになってくることでしょう。

 休み中、夢に見たのは店にいいものがあふれ沢山の人が入れ替わり立ち代り来店している光景でした。夢の中では働いていたのです。

 正夢になることを願っています。 

2011年8月24日

夏休みの終わりに

「10日から21日までの長い夏休みは、予定通りに過ごしました」と言いたい所ですが、13日のお盆の初日の夜に食べた何が悪かったのか食中毒にかかってしまい、楽しみだった食事の予定が全て駄目になるという、思いがけない日々でした。「当ては向こうからはずれる」とは良く言ったものです。

 本の整理処分は予定通り。55冊をBOOK OFFに出して本箱に入りきれない本は無くなりました。文庫になるまで待ちきれず全てハードカバー。これらの本が血となり肉となるかはこれからのお楽しみ。

 韓国ドラマは、大望(全26話)と済衆院(全36話)を外の付き合いは全部なしにして見ました。これも体調不良のお陰。思い出深い夏休になりそうです。 

2011年8月20日

思い出の品 『四季の味』

 本が思い出の品と少し変ですが、もう何年も読まなくなって、いまあるかどうかもわかりません。

 編集長が森須滋郎さんの頃、昭和55年位から読んで、沢山勉教させていただいたありがたい雑誌です。 器と料理が良く、エッセイも一流の方々が書かれていました。滝口和男さんの器との出会いもこの本です。副編集長の内田さんの紹介で京都に行き、店全部を福岡に持って来たいとの思いを滝口さんに伝え、福岡での出店が実現したのです。それから三十年。

 明日から夏休み。四季の味、夏号を何冊も机の上に広げて美味しい料理をピックアップして楽しみたいと思っています。 

2011年8月9日

 

八 月

 福岡は大濠公園の花火大会で八月が始まります。

 公園は歩いて15分の所にあるのですが、花火大会はテレビで見ます。23年前、このマンションに住み始めた頃はベランダからも見えていたのですが、周辺に次から次にビルが建ち始め、今では見えなくなってしまいました。ただ、音だけは今も大きく響いてきます。

 夏休みの始まりです、たきぐち店は10日から21日までお休みです。どこに行くあてもなく、読書と韓流ドラマを楽しみます。

 2月にご注文頂いた日賀野さんの絵が好評とのお知らせを受け、安心して8月7日に伺うことになりました。御蔭様で心安らかに、ゆっくり夏休みを満喫させていただけます。

2011年8月6日

故宮博物院

 海外旅行は行きたい所がないからと、パスポートを取ったことはないのですが、『ふたつの故宮博物院』を読んで行きたい所があったのを思い出しました。
 所蔵品の色々は時々写真で見たことがあります。日本では世界の色々のところから宝物がやってくるのに、何故か故宮博物院展だけは無い。その理由が今回の新書でよく理解できました。「北京」と「台北」に引き裂かれた故宮博物院。北京がハードに勝り、ソフトは台湾が勝っているとなれば、両方を訪れなければ、本当に故宮を観たことにならないようです。

 北京には冬。台湾には夏に行くのが良さそうです。できれば日本、中国、台湾三カ国の話合いがうまくいき、日本のどこかで展覧会が開かれればいいのにと願っています。
  『ふたつの故宮博物院』(新潮選書  野嶋剛/著) →新潮社のサイト

2011年7月25日

 

女と靴下、そして男たちへ

 先の大戦後、強くなったのは女と靴下と言われていました。強くなった靴下とは、ストッキングにナイロンを使用することで伝線の悩みから解放されたものでした。大震災の後、やはり女の強さが目立ちます。

 サッカーなでしこジャパンの金メダル。プレーを見て日本女性の強さを改めて思い知らされました。大正生まれの私の母は、生まれて35年間いちども生活に困る経験をしたことのない人でした。それでも満州引き揚げに始まる戦後の頑張りに目を見張らされたものでした。

 なでしこジャパンとまでは行かないにしても、各界での女性の頑張りは、間違いなく今後の日本を支え、豊かにしてくれることと思います。

 願はくは、強くなった女の人に叱咤激励され、男の人も強くなりますように。 

2011年7月23日

知らぬが仏(本文一部加筆しました。)

 昔の人は本当に良く言ったもの。

 何でも生齧りに知識を身につけ右往,左往するのは無駄な時間とエネルギーの浪費と思うようになりました。数十年来、一日たりとも読まない日のなかった新聞をやめました。月4,000円くらいのことで経済的理由ではないのです。ニュースはテレビとインターネットで充分。

 有料で読むに足る記事はなく、まして生きる元気をもらうことは最近皆無。エコだデシベルと聞いたとして急に生活を回転できるわけもない。

 鶴の恩返しで知られる「夕鶴」の話の中で、つうが命を削って織り上げた「鶴の千羽織」にも負けないような魂がこめられた工芸品に囲まれたこの店をパワースポットにするのが私の使命。世の中のことは知らぬが仏を決め込んでいこうと思っています。 

2011年7月20日

サンセット大通り

 新しく出来た博多駅ビルから海に向かってまっ直ぐ伸びる道。太陽が西に沈み、遠く志賀島がかすかに見える。ふっと映画の題名が浮かんできました。「サンセット大通り」

 このビルの10階に出来たイタリアンレストランの一番眺めのいい席でご馳走になりました。食事は料理、器、空間が織りなすトータルなもので、今日のようにすべてが揃う事はあまりないことです。

 料理にお酒にお話に、その上、(福岡と思えないような)外の眺めまで。

 沢山の荷物を整理してはスーツケースに詰めて移動を繰り返す海外旅行は苦手なだけに、こんなに近くで「海外旅行」が楽しめ「博多駅ビル」が好きになりそうです。

2011年7月15日

占い

 今、さかんにイケメンの手相観の人がテレビを賑わせています。

 私もその昔、何かと手相を観てもらっていた時期があります。別に御宣託すがる訳ではありません。当たり外れがどうということもありません。ただ、自分の人生を異なる視点で眺めるような感じがあって、いろんな発見をさせていただきました。

 さすがにこの齢になると、占ってもらうこともなくなりました。「10年後からは、恋愛運も事業運も右肩上がりです」と言われても、90代を目前にして、好調な恋愛運をどうしたものやら。良し悪しが分かったところで一喜一憂することもありません。

 商売を始めたころ、占いの方に「取り巻きがいいですね」、「人に恵まれていますね」とよく言われいました。

 考えてみれば40年間、商いを続けていられるのも占いの通りです。お客様は世間で言われるところの(お金、知識、美的センスのある)エリートの方ばかり。やはり家で使う器が良いと、エリートが育つのかもしれません。

「少しは世の中に貢献できたかな」と自己満足の日々です。 

2011年7月12日

アンダルシア (外交官・黒田康作)

 織田祐二と真保裕一さんのフアンです。

 このシリーズは映画館で観ることにしています。原作は映画を見た後、登場人物を思い出しながら読むことで二倍楽しめます。

 大画面に映る景色とフラメンコが素晴らしく、映画はその地方のいいところを切り取って見せてくれるので何より有り難い。先日は本でアイルランド地方、今回は映画でスペインと1000円で贅沢な気分を満喫しました。映画が終わり外に出ると土砂降りの雨。アンダルシアの景色を思いながらバスで帰宅しました。

2011年7月7日

出る月を待つべし

 十年日記をつけ始めて18年。自分で書いたものだけど色々面白い発見があります。忙しい時は読み返すことなど滅多にありませんが、今年のように異常に暇な日が続くと、昔はどんな日々を送っていたのだろうかと、つい読んでみる気になりました。

 一日、一日は多少違っていても一ヶ月、一年という長い時間のフィルターを通すと、ほとんど変わりないことが良くわかります。いい日も悪い日も、大体同じくらいの割合です。だから今、これを読んで少し安心して過ごすことが出来るのです。とはいえ、そんなに過去の日記を読んでばかりでは干上がってしまうことでしょうね。

 出る月を待つべし、散る花を追うことなかれ。

 先日読んだ中根東里さんの言葉を思い出しています。 

2011年7月5日

 

夏 空

輪島市観光協会のサイトより

 鬱陶しい梅雨が明け、夏空の下涼しい風が吹いてきました。

 世界遺産の風景も棚田の風景にも縁のないビルの中で過ごしていると、日本の夏を満喫できないことに少々残念な思いでいます。

 展示会も無事終わり、一年の半分が過ぎました。年の後半に入る前に思い切って青田の広がる所か、海の近くにでも行って潮の香りを思う存分吸ってみたい、などと頭で考えるばかりで、体がついて来てくれません。

 何年も朝の散歩で体を鍛えてきたはずなのに、足の痛みは消えません。MRI検査の結果によれば、原因は「過重」、、、ではなく「加齢」とのこと。解決策は静かに過ごす以外ないのだそうです。なんだか、タイトルとは関係ない方向に話が進んでしまいました。

 とりあえず写真を眺めて過ごすこととしましょう。

2011年6月29日

ゴルフ

 意外と思われるかもしれませんが、マラソンの次に好きなスポーツがゴルフです。もちろん自分でプレーするわけではありません。もっぱらテレビ観戦です。

 綺麗に整備されたグリーン、使い込むほどに味の出る道具。ゴルフを取り巻く色々なものに加え、静かにプレーが進むのが何より好ましいところです。

 今年の全米オープンはマキロイが優勝。特にファンということではないのですが、今読んでいる本がアイルランドのケルト紀行だったので、同選手が北アイルランド出身と聞いてなんとなく身近に感じています。

 ゴルフとアイルランドが一緒に楽しめて、なんと幸せな日々かと思っています。

 アイルランド「ケルト」紀行(武部好伸著 彩流社)

2011年6月20日

 

「コツ、コツ」と

 一年がかりの苦労の末、ようやくパソコンを使えるようになり、このホームページを開いたのが2年前の6月。以来、やっとこさっとこではありますが、この店主日記も継続中です。

 商品を売るためというより、「ここに、こんなものがありますよ」、「ここでは、こんな人間が、こんな思いで仕事をしているのです」という気持ちを伝えたくて続けているようなところがあります。「のれんに腕押し」を絵に書いたような、頼りない伝え方ですが、今回の高橋さんのガラス展で手応えを感じることができました。実は、今日お見えになったお客様が、ホームページのプリントアウトをお持ちでした。高橋さんのファンの方です。日記を読んで、「どんな思いでお店をされているのかも前もってわかり、楽しみにして来ました」と仰っていただきました。

 何事もあせらず、コツ、コツとしていると、応えが出るものですね。 

2011年6月15日

贅沢

 昨日展示会の前に思いがけずお花と果物をいただきました。お花はご自宅の庭に咲いたもの。

 街に住んでいると花屋さんで求める花はいろいろありますが、庭に咲く花は何よりの贅沢品です。お聞きしましたら300坪の庭に果物と花を育てておいでとのこと。

 今年はベランダの花育ては断念しました。日当たりなどの環境が悪いせいと、手入れが思ったより難かしく私の手に負えないと分かったからです。

 神様からの送り物のようにお願いしたわけでもないのに花が届いたのは、高橋さんの作品への応援としか思えません。たきぐちはいろいろの方の応援で成り立っていることをしみじみ実感しています。 

2011年6月12日

更衣(ころもがえ)

 6月に入り、学校も仕事場も白い半そでに更衣。、家の中は夏らしくレースのカーテンをすだれに模様替え。贅沢なお宅は夏障子に。たきぐち店も夏らしい室礼になります。

 13日からガラスの器展が始まります。高橋さんの素敵な作品が色々並びます。

 ガラスの器と一緒に、西山さん、香月さんの手織りのテーブルセンター、小泉さんの錫の器も展示します。

 3月以来の暗雲を、更衣と夏のしつらいで吹き飛ばしスッキリしたいと思っています。 

2011年6月4日

入梅(にゅうばい)

  待たれいし雨とも思う梅雨入りかな    稲畑 汀子 

 6月になると何故か65年前の終戦、引き揚げの頃の事を思い出す。

 生まれてから十年の歳月を過ごした家を、たった25分以内に立ち退けとの命令。まるで今回の地震津波と同じ。一度として負け戦で家を追われる経験をしたことがない日本生まれの両親は、慌てるばかり。結局、何も持たないまま、着の身着のままで家を出て以後、その家には一度も戻ることなく一年余りの放浪の後に日本に帰国。アジサイに小ぬか雨降る美しい日本にたどり着く。

 両親にとっては帰国でも、私には未だに放浪の続き。旅人感覚で、今の時季を楽しんでいます。

2011年5月31日

日本人の叡智=磯田道史

 いい本に出会いました。ご紹介させていただきます。

 夜間ではありましたが高校も卒業し、新聞、雑誌はもちろん、こと読書に関しては、活字を食べるがごとくに親しんできましたが、この本に取り上げられている人物のほとんどを知りませんでした。

 よくもまあ、これほど膨大な資料から、大海の真珠のような人々を見つけて教示してくださるとは驚きです。大学の文学部で受講させていただいたような気分になりました。

 小学校からの英語の授業など、いい先生の育っていない今の日本では、本当に無用のことと思います。そんな時間があるのなら、江戸から明治の人々の偉大さを、現在の小、中学生の授業でぜひ取り上げて欲しいと思います。

 

「日本人の叡智」

2011年5月24日

煩いのない日々

 若楓(わかかえで)の美しい五月。京都の三千院で見たもみじ(若楓)を思い出しながら日々過ごしています。

 昔のように物が売れる時代ではないせいで、忙しくなく先行きどうなることか少し心細くなってきてはいるものの、取立て煩いが無いことで良しとしたいものです。

 最近「断、捨、離」という言葉を目にするたび、ドキッとしています。心を込めて造られた作品を一生懸命買って使っていただいていることで、たきぐちのお客様には縁の無いことだと思っています。

 自分で買った物に煩わされるなど無いようにしたいものです。

2011年5月22日

思い出の品々—絵

 これは赤レンガ時代の大名カトリック教会の絵です。現在は久留米に移築されています。

 中学を卒業してすぐに勤めた西南学院でお会いした小川蓮太郎先生の作品です。東京芸大のご卒業で古武士風の厳しい先生に、いい物を見る目を鍛えていただき今の仕事が出来るのだと,この絵を見ながら感謝しています。

 初の個展から最後の個展まで欠かさず見せていただきましたが、手元に残っているのはこの一枚だけ。でも思い出の中には素晴らしい作品の数々が綺羅星のごとく残っています。  

2011年5月13日

牛島の藤

 今年は本当に何も無いボンヤリとしたお休みを過ごしました。

 今日店に来て仁平さんのブログを拝見しました。桜の時の写真も素晴らしいものでしたが、今日は「牛島の藤」を見せていただき、すっかり目が覚めました。

 たきぐちの日記を見ていただいている方にぜひ見ていただきたいものです。仁平さんには10月の展示会に染めの袱紗をお願いしたばかり。きっと桜と藤のイメージをした袱紗が出来てくることと楽しみにしています。 

 仁平さんのブログはこちら→「染色作家 仁平幸春の覚え書き」

 

 2011年5月6日

天然石 ソリティア

 独り遊びのゲームです。36種類の天然石が駒でインテリアにもなり、店の片隅に置いてます。時々集中力アップのため動かして楽しんでます。

 塩で洗うと天然石のパワーがアップするという話を読みましたので、それ以来塩で洗っています。300年の伝統がありルイ14世がお城で独り遊んでいたそうです。豪華客船の娯楽室に置かれてたのをテレビで見ました。

 展示会が終りゴールデンウィークが始まりますが、独りで遠くに行くことや、誰かに合う予定も無い日々。今年はビールを飲みながら、ソリティアで遊ぶことにします。

2011年4月28日

お楽しみ

 ベランダのチューリップが色とりどりに咲いてくれて、とても満足しています。 外に出るより部屋に居る時間の方が長いので、切花にして花瓶に生けて楽しんでいます。

 先日、美味しいママレードとシフォンケーキを下さった方から、クオカのことをお聞きしまして、ネットで検索しました。驚きです。このサイトではお菓子にパンの材料から小道具まで何でも揃うのです。

 買い物に行く時間が無く、人混みが苦手の私にとって何より有り難いお店になりました。早速、パンのミックスの粉を三種類注文しました。配達も支払いも居ながら済むのです。お楽しみが増え喜んでいます。

 世の中色々進んでいるのですね、知らないことの何と多いことか。今後も退屈しないで生きていけそうです。

 

*クオカの直営店は福岡市内にも1軒あるようです。直営店の情報はこちら

2011年4月22日

 

風と共に去りぬ

 ぼんやり店番をしていて、昔見た映画『風と共に去りぬ』を思い出しました。

 米南部、ジョージア州アトランタの焼け野原になった大地をたたきながら、悪いことは寝ておきて朝になって考えよう、とスカーレットオハラが叫んだ場面です。

 ここ福岡は電力不足になっていないのに、暗くしている所があります。 たきぐち店は作品を輝やかせるために煌々と電気をつけています。使った電気代を払うことも世間の人が思っている複興になると思っているからです。

 行き過ぎた自粛は、「八絞一宇」という言葉まで思い出させます。何でも同じ方向に向く日本人の悪い気質ではないでしょうか。右にならえ、の号令に従っているほうが楽な生き方kも知れませんが、今一度深呼吸をして、何をなすべきか考えたいものです。

2011年4月15日

待てば海路の日和あり

 今日から「さくらの器展」が始まりました。作家さんはそれぞれいい作品を届けてくださいました。「大変な時代になりましたが、淡々と自分の仕事を続けて行きます」とメッセージが添えられた作品もありました。桜の器のほかに、仁平さんの新作の額も届き、店内は輝いています。

 統一選挙も終わり、桜は満開を過ぎ、いつもの静かな日々の暮らしがやってきます。

 先日、和食で有名な「梅の花」にお邪魔しました。久留米から全国展開されているお店です。お店が流行っている理由が良く分かりました。値段は居酒屋並なのに、しつらえは料亭風。こまごまとした料理が、楽しい器に15品。お料理を堪能させていただきました。

 こちらのお客様がいつの日か、たきぐちに器を買いに来て下さるといいなと思いながら店を後にしました。

2011年4月11日

春野菜

 西山商店より注文の品が色々届きました。今回は春野菜を中心にお願いしましたので、つくし、スナックエンドウ、うど、菜の花、ソラマメなどが送られてきました。

 中でも嬉しかったのは近くの山で採られたつくしです。街ではとても味わうことができない苦味のある本物。つくしのはかまを取るなんて何十年ぶりのことでしょう。子供の頃を久々に思い出しました。インターネットで春野菜を検索。うど、エンドウ、アスパラのレシピを見て、今夜は新しい料理が食べられます。

 献立は、アスパラの洋風おじや。うどの甘酢みそあえ、スナッくエンドウと豚肉、たまごの炒め和え。

2011年4月10日

春爛漫の四月

 今日から四月。やっと春らしい気温になりました。

 心配していたベランダのチューリップの花も咲きました。自宅とお店のカレンダーも今月は「桜」、「菜の花から桜」、「柳にイチョウの芽吹き」と、どれも自然の命を感じさせられるものばかりです。 もちろん今年の春はいつもの年とは違います。自然の素晴らしさを手放しで讃えるには、あまりに大きな傷を受けてしまいました。

 日本では今、様々な催しが中止されているようです。しかし私は、美を次代に伝えることは我々日本人の将来にとって大切なことだと心から信じて、今の自分の立ち位置を守り続ける覚悟をしました。

 11日から桜の器展を開催します。今だからこそ、桜の器展はふさわしいと思っています。

2011年4月1日

講演会

 帚木蓬生さんの講演会「私の医療小説」が、文化連盟の主催で西日本新聞会館で開催されました。

 作品はもうずい分前から色々読ませていただいていましたが、本職(医師)がお忙しい方でエッセー、インタビュー、講演などは今まで無いに等しい状況でした。

 ペンネームが源氏物語からということだけは知っていましたが、今回の講演会に出席して初期の作品『頭骸に立つ旗』他、読んだことの無い作品のお話を色々とお聞かせ頂きました。

 急性白血病(がん)になり一番残念だったことは、発病の3日前にガン保険を解約したこと等、時間はあっという間に過ぎ、最後に次回作は幻の国邪馬台国が久留米にあったのではと考え、それを書きますとのこと。いつまでもお元気でお過ごし下さるよう祈りつつ会場を後にしました。

2011年3月30日

もうすぐ  桜

 近くの公園の桜が今年も咲き始めました。

 世の中の騒ぎをよそに、自然の営みは間違いなく動いています。

 店主日記、何回も書いては止めていました。あまりにも大きな出来事をテレビ、新聞で見るにつけ、何もいう言葉が出ず立ちすくんでいます。

 被害にあわれた方々に心よりお見舞いと、ご冥福を祈ります。

 福岡から元気いっぱいのエールを送り続けたいと思っています。 

2011年3月27日

 

思い出の品々—マッシャー

 私の身の回りには50年以上使っている道具が色々あります。これもその一つです。

 結婚祝にはるばる船に乗ってアメリカから送られてきたものです。

 大きなスプーンと二股に分かれた串の三点セットですが、そちらの二点はあまり使うこともなく,いつの間にか行方不明になっています。

 当時のアメリカのステンレス製品は上質で,五十年後の今も健在です。炊飯器もトースターも冷蔵庫も無い時代に、このマシャーは台所で輝いていました。新婚の時代ドキドキしながら料理をしてた頃を知っている道具なのです。 

2011年3月17日

飲み友達

 さすがに76歳ともなると、一緒に楽しく飲み歩く人も少なくなり寂しい限りです。

 私も今は本が唯一の友達といったところでしょうか?蚕が音を立てて桑を食べるように、手当たり次第に読んでいます。

 「オール讀物」3月号に村木厚子さんの特別寄稿「私を勇気づけた拘置所の百五十冊」の記事を読み、大いに参考になりました。164日間の拘置所生活で150冊というのもすごい数ですが、色々の方の差し入れで、しかも勉強でないので範囲が広い。

 私も差し入れのおかげで思いがけなく良い本に出会っています。

 今は、ヒマとお金があっても寂しい思いをしている方が多いのだそうです。本からもらった勇気を、お客様に上質の繭(まゆ)としてお裾分けしたいと思っています。

 飲友達は当分出来そうにありません。

2011年3月5日

ウグイス

 去年の店主日記のウグイスは2月の11日だったのですが、寒気がいつまでも居座って今年は春の到来も遅く「ウグイス」の飛来は3月に入ってからでした。

 去年のウグイスは三人揃って化粧品のセールスでしたが、今年は市議会議員選挙に立候補される前田かおりさん。目をパッチリ見開き覚悟の程をひたむきに話されました。 ママ友を代表して市制に打って出られるとのこと。

 私自身も女性の議員さんが増えて欲しいとの思いは強く持っています。化粧品なら買うことで応援できるのですが、店に座っている現在、お役に立てそうも無いのが残念。

 お子様と一緒の名刺を来客の目に触れるところに飾って活躍をお祈りします。

 

2011年3月4日

思い出のひな人形

博多ひな人形

 満州に置き去りにした私の雛に出会いたくて、この30年来色々の雛人形を取り扱ってきました。

 15年前に博多人形の木本さんに出会って、その思いを形にすることが出来、この10年は毎年2セット限定で総かざりを特注してきました。最近は緒々の事情により中止になりましたが、1セットだけ取り置いていましたので、今年は、仁平さんの草木染めの額と一緒に展示してます。

 満州で暮らしていた私たち家族には、初孫である姉には大きな雛人形が内地より届きました。それなのに次女の私には、小さな博多人形の総飾り。それが長い間不満でしたが、今になって懐かしく思い出すのは、その小さな博多人形のお雛様です。

2011年2月27日

メジロ

 日賀野さんのメジロの絵が届きました。(21日西日本新聞掲載の原画) 

 19日に無事高森さんの展示会が終わり、昨日は一日家で過ごしました。

 展示会成功の御礼の気持ちを込めての写経、掃除洗濯アイロンかけ、パン焼き保存食作り、横浜国際女子マラソンまで、予定通りの充実した1日。

 やっと春到来で店の入口のチューリップの鉢も嬉しそうです。メジロの絵を見ながら、目白押しで良いことがやってこないかしらと思っているところです。 

2011年2月20日

 

至福のとき

 2月に入っても何かと落ち着かない日が続いていましたが、展示会の初日を迎え、出番が終わり、らい客の合間に読書が出来るようになりました。

 『利休にたずねよ』(山本兼一著)は今の店の展示に合った本です。お雛様、香合、花入れを見ながら至福の時を過ごしています。

 『文芸春秋』三月号(100年富豪の資産相続)もあわせて読んでいますが、今誰かが思いきって巨額を投じないと次世代に良きものは残すことは出来ないという思いを強くしました。今の税政では良き日本の文化は終わりそうな予感がします。

 今一度、利休にどうしたものか尋ねたい思いです。 

2011年2月12日

 

春の訪れ

 立春となり、暦の上では春が訪れてきました。 あんなに寒かった日も僅かばかり気温が上昇し、コートも薄手で良くなり心が浮き立ちます。

 7日から始まる「高森誠司の世界展」用の作品が届きました。九洲山口陶磁入賞作品(青白磁釉彩文鉢 50x20)の他、呉洲赤絵、染付けの器などどれも力作で大満足です。

 日本の陶磁器を見ていると長い年月、国内の革命がなく、宋や明から伝来した技法が、脈々と伝わっているのが良くわかります。

 美術館で見るのでなく、日常の生活空間に取り入れ、宋、明の時代の歴史を思い浮かべてみては如何でしょう。

2011年2月5日

睦月の終わりに

 小寒、大寒はいつもの年より寒が厳しく、福岡にしては珍しくベランダに氷が張って、驚かされました。先日植えたばかりのチューリップが心配でプランターを見てみると、1センチほど芽が出ていました。春には花を咲かせて欲しいものです。

 幸い今年のたきぐちは好調なスタートを切ることができました。ホームページを見たという方が寒い中、熊本から来店されてお買い上げいただいたり、日賀野さんの絵をお寺の壁面に飾るお話で名古屋まで日帰りで行ってきたりと、思いもよらぬ日々で、睦月が終わります。

2011年1月28日

 

跳ぶ前に

 いい言葉に出会いました。

 一流品を売る条件は目が利くということ。

 目利きになるには永年の修錬のみでは不足。芸術を理解しその美しさの琴線に感応する神経を持ち合わせていなければならない。美しいものに反応すると同時に、物に惚れ込んで買い取る度胸と情熱を持っていなければならない。        以上。

 

 2月の高森さんの作品展の案内状が出来てきました。肝に銘じていい商いをこの一年心がけてまいります。

2011年1月16日

スイッチ ON

 長い冬休みが終わり、スイッチの切り替えをしました。

 年末に押入れに仕舞った作品を出して並べ、花を飾って新年を迎えたところです。 早々に来客と名古屋より結婚の祝の品の注文があり上々の滑り出しです。

 世の中に必要でないものは自然になくなるそうですが、今しばらくは必要とされることを願っています。

 この長い休みの間は、何もしませんでした。近年まれなことです。24時間が流れるように過ぎていきました。今年は何に取り組むか、どんな出会いがあるのか、すべては白紙です。

 どうせ白紙なら、白ウサギのように、思いきり、跳び跳ねてみましょう。 

2011年1月12日